伝説3

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伝説3

「未来永劫、双子の姉妹を生け贄にするわけにもいかず・・・」 「村長が選んだのは、自分の孫1人を犠牲にし禍根を断つことでした」 「村長が選択した時、その男が言いました・・」 「この桐箱の中に入っている物を助けたい娘の懐にしのばせておけ」 「さすれば、その娘は助かり、鬼は二度とこの村に姿を現す事はあるまい」と 「受け取った桐箱は、両手に納まるぐらいの大きさだったそうですよ」 「その桐箱には何が入っていたと思います?」 「正解したら、お饅頭もうひとつ、あげますよ(喜)」 「何だろう?娘を助け・・鬼を退治する?」 (お饅頭、ほしかったな(涙)) 「降参だっ!分からないよ」 「・・・・虫!ですよ」 「ちょうど、所長の親指ぐらいの大きさだったそうですよ?」 「虫?虫で娘が助かり鬼が退治できたの?」 「伝説では、そう伝えていますね」 「なるほど・・・続きを頼むよ」 「満月の夜、鬼の指示どうり双子の姉妹を川に流したそうです・・その内の1人、懐に虫を忍ばせて」 「次の日の朝、川下に村長が見に行くと赤ちゃんの泣き声が聞こえてきたそうです」 「双子の内、1人は消え失せ・・もう1人は・・・」 「その胸の上に・・虫がいたそうです・・真っ赤に染まった鬼の指を咬んで・・」 「1人を抱きかかえ、もう1人を抱きかかえようとした時、虫が鬼の指を噛み切り娘を守り、鬼は虫を恐れ村には二度と現れなかったそうです」 「村長は、村を救った虫を祭るため神社を建て、助かった娘が神社を一生涯守ったそうです」 「今でもその時に助かった娘の子孫が神社を守っているそうですよ」 「お・し・ま・い」です 「不思議だな~?」 「愛君、ずいぶん詳しいね?」 「私でも聞いたことの無い村の伝説を、なぜ知っているのかな?偶然にしても・・出来すぎじゃない?」 「まさか君が依頼人じゃないだろうね?」 「・・・・・・」
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