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何の目標もなく、ただ流されるように生きていた私の初めての些細な抵抗。
自由……胸が高まる。
行き先はない。
それでも私は楽しくなって駆け出す。
どのくらい走っただろうか。気が付くとそこは広い原っぱ。
緑が多いその空き地に不格好な茶色い建造物がある。
もともと好奇心旺盛な私は、なんのためらいもなくその空き地へと足を踏み入れた。
ガラン!!ガラン!!
いきなり音がする。
紐と空き缶で作られた簡易警報機とでも言えばよいだろうか。
「軍師!!初めての敵だぞ!!」
「大丈夫だ。殿様!!いくつもの罠を仕掛けておいただろ?」
敵?どうやら私は敵扱いされているようだ。
しかし、2人の少年の声はどこか嬉しそうだ。
何故だろう。私も楽しくなってきた。
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