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次の日。裕子は公園に来ていた。いつも、高校が無いとき散歩に来ている。人気の無い公園に来るのが、裕子にとって幸せなことだ。
だが、この日はいつもと違う。彼女はフードを被った人を見る。その人は瞼を閉じた瞬間に姿を消した。裕子は薬品が染みこまされたハンカチを口に当てられ、気を失う。
ヒンヤリと床が以上に冷たい。裕子は目を覚まし、立ち上がる。体を見るなり胸を隠した。彼女は今、全裸の状態で居る。変態かなにかに誘拐されたのだ。部屋に明かりがつけられる。辺りはガラス張りの部屋だ。ガラスと言っても鏡だ。マジックミラーであろう。
『眼鏡覚めたかい。武藤裕子君』
「誰なの」
『animの局長の後藤春雄だ』
ガラスに一人の二十代後半であろう男性が映し出された。薄気味悪い男性、そう言う印象しか与えない。
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