二話 空へ

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青く澄み渡る空。人の心の正反対な物だ。とある高校の屋上。一人の青年が今、飛び降りようとしていた。 名は進藤昭夫。高校一年生だ。生きることにつかれた。人間であることが嫌になっていた。 「昭夫君……」 担任の先生が屋上に来た。他の先生もだ。 「先生方。自分は生きることに疲れました」 と、彼は飛び降りようとした時だ。体育の先生に腕を捕まれ、引き倒された。 その日、昭夫は親の車で家に帰る。車内では昭夫は母と口を聞かずにいた。母自身も何を話せばよいか解らずにいた。 昭夫は部屋に入るなり、小物容れからカッターを取り出し、手首を切る。
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