その1

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あたしは急いで東京駅に向かった。 東京発21時20分の新大阪行き最終に間に合うように。 朝、してた胸騒ぎのことなんて忘れてたんだ…。 現実が受け入れられなかった。 その人の…彼のお姉さんの言葉が何度も何度も、あたしの頭を駆け巡った。 電話は、彼の、あたしの大好きな彼氏のお姉さんからだった。 液晶に出てたのは、彼の家電。 お姉さんは… 優しそうな感じがした。 初めましてのあたしに、ていねいに挨拶をしてくれて。 少し間が空くと… 一言だけ… 消え入りそうな声で言った。 彼が… 亡くなったと…。
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