リレー小説下書き

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>>●● 鍔芽と犯識は数ある倉庫の中の一つにいた。 「なんで、人って簡単に死ぬんでしょうね」 「貴殿らが殺すからであろうに」 鍔芽の凪いだ手裏剣を大鍵でいなす。 「さもありなん・・・。じゃあ、簡単に死ぬ人間をなんでわざわざ回りくどい方法で殺すんですか、ねッ」 「貴殿らが殺戮を楽しむ餓鬼の類であるからだろう」 返し手で投げられた手裏剣を後退して躱すが、犯識は倉庫の壁に追い詰められた。 「別に、楽しんでませんけどね・・・。だいたいの人は何の思考もなく淡々とやるもんです」 「貴殿の言いたいことは理解できない」 壁からとっさに離れた犯識が立っていた場所に、新しい手裏剣が小気味良い音を立てて、幾本も突き刺さる。 「・・・っと。僕のやり方ってやっぱり回りくどいですかね?」 「貴殿のような木っ端な殺人鬼は、主義主張を誰にも伝えることなく早々に消え去るのが無難」 「せめて、辞世の句くらい言わせてくださいよっ!」 犯識が一息に跳び、大鍵が槍のように真っ直ぐ突き出される。 「人でなしの貴殿に、情けなどかけようがない」 鍔芽は体を半歩ずらし、難無く躱す。   >>●●
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