第二章

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「そやつは僕の命の恩人だ!」 「助けたのは貴方様を売り捌くためかもしれません。どっちにしても下心無しに古城の化け物が貴方様を助けると思えません」 「そんなことはない!そやつは寂しいだけだ!早く僕に返せ!」 「それは出来かねます。…出発しなさい」 召使の指示で馬車は動き始める。 すると召使たちを押し退け、ぼくを追いかけてくる。 「ルナ!ルナ!手を伸ばせ!今なら…!」 「ごめんなさい…。サーベルト様。もう…ぼくに会わないようにしてね…」 「ルナ!」 「一瞬でもサーベルト様の愛を感じれて…嬉しかった…ありがとう…」 馬車はさらに加速し、サーベルト様は後ろへと消えていく。 これでいい…。これで…。 サーベルト様はぼくに会っちゃいけない…。 だから…しばらく街への買い物は控えよう。 そうすればもうサーベルト様に会わずに済む…。 「着いたよ」 「ありがとう」 「もうサーベルト様に会わないでね」 「うん」 馬車を降り、ぼくは森へ入り、古城へと帰った。 鏡を見て、ぼくは改めて化け物なんだって自覚する…。 なんでこんなオッドアイに生まれちゃったんだろう…。 望んでこんな体になったわけじゃないのに…。
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