第二章

5/5
208人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
「どうして…」 皆は綺麗な黒目なのに…。 どうしてぼくだけ…。 こんな辛い思いするくらいなら生まれてこなければよかった…。 ああ…もういっそのこと永遠の眠りにつきたい…。 サーベルト様にも…会うこともない…。 「そうしたほうが…サーベルト様のためになるかな…」 そう思った瞬間眠くなって僕はベッドに入り静かに眠りについた。 これで…もう大丈夫…。 しばらくは…サーベルト様に会わずに済む…。 これでいいんだ…もう…未練はない…。 化け物は永遠に眠り続け、やがて朽ち果て、無惨な姿を晒して死に向かう…。 シナリオはこれでいいだろう…。 化け物と呼ばれ、さげすまされてきたぼくの結末…。 ああ…こんな目に生まれてなければ…ぼくは幸せになれたのかな…。 皆と同じ綺麗な黒目だったら…沢山の人に愛されたのかな…。 今ではもうどうでもいいや…。 どうせぼくはこのまま一人で死を迎えるんだから…。 もう…いいや…。 誰にも愛されなくたって構わない。 お願い…誰にもぼくが見付かりませんように…。 誰もこの古城に近寄れなくなりますように…。 ただぼくはそれを願い続ける…。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!