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古城の化け物…。
ルナは確かにそう呼ばれてた。
だけど僕を助けてくれたあの優しさが嘘だとは思えない…。
純粋に僕を助けてくれたとしか…。
下心なんかない純粋な心の持ち主だと思う。
「ルナ…」
あんな綺麗なオッドアイ…見たことない…。
あんな綺麗なオッドアイをしたルナが化け物だとは思えない。
僕にはただ孤独に震える子供にしか見えない…。
あの子はただ誰かに愛して欲しいだけなのに…。
「サーベルト様。噂なのですが、数ヶ月前、古城の化け物は永遠の眠りについたそうですよ。よかったですね。これでサーベルト様は安全ですよ」
「永遠の…眠り…?一人でか…?」
「ええ」
「…さぞ、寂しいだろうな…。一人で眠り続けるのは…」
きっと泣いてるに違いない…。
僕が迎えに行くのを待っているに違いない!
そう思ったら居ても立ってもいられなくなり、僕は馬車へ乗り込みルナのいる森へ向かう。
「ルナ…待っていろ…。今僕が迎えにいってやる…」
ガタガタと揺れる馬車の中でただルナのことばかりを考えていた。
森について、僕は馬車を降りて古城を目指す。
一度来た道だ。
すんなり古城へと着いた…。
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