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「…今日も…朝が来ちゃった…」
小さくそう呟き、ぼくはボロくなったベッドから身を起こす。
カーテンの隙間から射す光が眩しい…。
仕方ない…とぼくはベッドから降り、カーテンを開いて光を部屋にいれる。
電気なんかつかない…。
ぼくが住んでいるとこは遥か昔に使われなくなった古城…。
シャンデリアがあるけど蜘蛛の巣がかかってる。
だから朝昼は明るいけど、夜は月光が射し込んでくるから薄暗い…。
暫く割れた窓の前でボーッとした後に白いフードつきのローブを羽織り、フードを深く被ると、街に今日の分のご飯を買いにいく。
「これと…これ…ください…」
「また来たのかい?全く気味が悪いよ。あんたは」
「ごめんなさい…」
「金はいいよ。あんたが持ってる金なんて触りたくないからね。さ、早く目の前から消えとくれ」
いつものようにパンを買ってぼくは店を後にする。
ここの街の住人にぼくは怖がられてる。
原因はぼくの目にある。
左が赤で、右が緑…。
いわゆるオッドアイ。
この街の住人の目はみんな綺麗な黒目…。
そんな中にぼくが生まれて気味が悪いと僕は古城に閉じ込められた。
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