第三章

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「サーベルト様」 「なんだ?」 「また来てくれる?」 「ああ!もちろんだ!」 「ありがとう…」 「それではまたな?」 「うん」 僕は馬車に乗り込み、森を後にした。 「サーベルト様。もう会われない方がよろしいかと…」 「不思議とルナといる時は元気なんだ。というかルナと会ってから発作が起きなくなった」 「ルナはヒーリング能力の持ち主です。どうやらあの街の住人はみな、持っているようです」 「どうにかしてルナを連れていけないだろうか…」 僕は元々心臓が弱かった。 だけどルナに会ってから病気なんてなかったかのように元気になった。 「どうしてルナばかりを気になさるのですか?」 「あやつは子供だからだ。寂しがりやな子供…」 「しかし化け物ですよ?」 「目が違うだけだ。ただそれだけなんだ」 「サーベルト様…」 「僕はルナを愛してやりたいんだ…。寂しがりやなルナを…」 「助けてくれた礼ですか?」 「ああ」 どうしたら恩返し出来るか…と僕は城の自室で考えることにした…。
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