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あれからサーベルト様はどうにかしてぼくを城へつれていこうとしてきた。
でもぼくは決して首を縦に振らなかった。
「ルナ!一度だけでいい!僕と来てくれ!」
「それは出来ないよ…。ぼくはサーベルト様と一緒にはいけない…」
「ルナ…」
「サーベルト様は王子様だから…」
「ルナは僕を王子として見てくれてるのか…。嬉しいな」
「当たり前だよ」
「僕は汝を愛しているのにな」
「え?」
サーベルト様を見上げようとしたとき、不意に抱き締められた…。
びっくりしてぼくは体を硬直させる。
サーベルト様は気にすることなく、ぼくの頭を優しく優しく撫でてくれた。
「サーベルト様…?」
「愛して欲しいと言ったのは汝だ。僕はそれに応えたいのだ」
「サーベルト様…。…ありがとう」
「礼には及ばん。汝は僕の恩人だからな!」
「そんな大それたことしてないよ…?」
そんなことはない、とサーベルト様はぼくを抱き上げた。
いきなり抱き上げられて、ぼくはサーベルト様に抱きついてしまった。
「ルナ、行こう?」
「…一回だけだよ…」
「ああ!それでも構わない!」
「じゃあ待ってて…」
サーベルト様から離れ、いつものローブを羽織った。
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