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どれだけの時がたっただろうか?
バールには、鉄錆のような真っ赤な色に染め上げていた…元の色がわからないほど…
人形は、もはや人の形をしてはいなかった、一度四面体をなくした粘土の形みたいになっていた…
「あーやっぱり本物がいいな」
ため息ひとつかいて竜崎はそんなことを呟いた
人を殺めたい…
その思考が、竜崎を駆り立てる、ゲームできいた女性の苦痛で絶望的な絶叫、その声を目の前で聴きだい…そんなことを思っていた
同居の美澪を殺るのは簡単、だが体の反抗する部分がその行動を遮る。
「気分転換にテレビでもみるか」
竜崎は気持ちを抑えようと、テレビのスイッチを入れた…殺人のニュースだ、愉快犯が竜崎の住む町で、連続殺人をしているそうだ
…ふと、竜崎の視線が固定された
…犯人が女性だったという事に…そして、20代という若い年齢だったと言うことに…
次の瞬間には、竜崎は動いていた…あの愉快犯を探し行こうと足がすでに動いていた
…あの愉快犯、いや、あの女性の悲鳴をあげさせるために…
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