何故?

2/10
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
タカシは教室にいた…。 今は授業中。 夏に近付くこの季節。制服もまだ衣替えしない時期だが暑さはワイシャツを湿らせる。そんな穏やかな一日…。 《そういやあそこの席のやつのぶお君だっけ?学校に来なくなってからもう半年だな…》 窓際の前から3番目。高校生にとったら一番取りたい席だ。しかしそこの席には誰も座っていない。 《まあ…あんまり話したことないし、目立つタイプでもなかったからなぁ…》 そんなことをボ~っと考えながらタカシは先生が書いた黒板をノートに写す。 《どうせ誰も聞いてないよ。現にクラスの半分は寝てるし、カラペッソ君なんてナン食べてるし…》 『はい、ではカラペッソ君。1192年に起ったものはなんでしょう?』 《おっ!!突然の質問だ。大黒先生、カラペッソ君がナンを食べてることに気付いてたんだな…。さあ、どうするカラペッソ君?!》 「モフッ…ホガガガガ…ッフへフッ!」 《普通に喋ろうとしたよ…。無理があるだろ…頬張って…。ほら、大黒先生怒るぞ~》 『カラペッソ!!お前…』 『まだ日本語を理解してないのか…』 《カラペッソ君は出身浅草だよ…》 そんないつもと変らない授業のハズだった。 つづく..image=56446974.jpg
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!