小さい頃の記憶って不意に思い出しても直ぐに忘れる件について

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風が気持ちいい。風呂上がりの火照った体をいい感じに冷やしてくれる。 「大地さん、よろしかったらアイスコーヒーでもいかがですか?」 「あっ、カンナ。ありがとう、頂くよ」 「では、直ぐにお持ちしますね」 軽い足取りで部屋から出て行った。 「カンナ、風呂上がりだからかな。やたらいい匂いがする」 何であんなに女の子の匂いはドキドキするんだ?って、今日は此処に皆で泊まるんだよな。何か変に気にしたらドキドキしてきた。 「すいません、お待たせしました」 そう言ってカンナが入ってきた。 「あ…あぁ、ありがとう」 ヤベー、何か意識しちまう。 「どうかしましたか?」 「わぁ」 気が付けばカンナの顔が目の前にあった。 あっ…いい匂い…ヤベー、今のはかなりヤバかった。 カンナは不思議がってる。 そう言えば今はカンナと二人っきりだよな。 意識するな。意識すれば余計にドキドキする。 「そ…空達は?」 「まだお風呂に居ると思いますよ。」 「そ…そうなんだ」 ヤベーよ。会話が繋がらない。どうする、どうする俺。 俺が頭の中で脳内会議を繰り広げていると、不意にカンナが話しかけてきた。 「今日は楽しんでいただけましたか?」 「うん。楽しかったよ。カンナありがとう。カンナのおかげでこんな綺麗な所に来れたし、こんな大きな所に泊まれるんだから」 「楽しんでもらえて良かったです。」
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