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「まぁ、僕からは小遣いあげられないけど、協力はしてあげるよ。」
そう言って親父は何処に電話していた。
「あっ、桜さん。例の件だけど大地を行かしても構わないかな?……うん。ありがとう。大地には僕から伝えておくよ。それじゃあ。」
「大地、バイトしないかい?お金も入るし何よりも母さんからの恐怖からも逃れられるよ。」
マジで!母さんから逃げる!金も稼げる!
「バイトって何するんだ?」
「母さんのお姉さん、桜さんは知ってるだろ?桜さんの所の旅館が男手不足らしいんだ。それで夏の間だけアルバイト探してたんだけど、彼処は島だからなかなか見つからないみたいで誰か探してくれないか?ってたのまれてたんだ。どうだい、大地。時給850円、毎日、美味しいもの食べ放題、温泉入り放題、母さんから逃げ放題。やってみないか?」
スゲー!!コレは最高の待遇じゃね~か!勇には悪いが俺は行かせて貰うぜ。
「行くよ、行くよ。あんたは神だよ~」
…………
で、今に至るわけだが。
「あの糞親父…こんなに暑いなんて聞いてねーぞ。」
船から降りて1時間で早くもリタイア寸前。まだ着かね~のかよ。あの糞親父いい加減な地図書きやがって。
「もう無理……ちょっと休もう。」
ラッキー。自販機とベンチあるじゃん。水~み~~~ず~~~。
ぷは~、生き返る。こうして見るとやっぱり綺麗な所だな~。母さんから逃げれるし、金も稼げるし、最高だな~。
しばらく休んでると、何処からか声がした。
「こら~。くうちゃん何処に行ったの~。」
誰か探してんのか。
「にゃ~~~」
うお!猫か。
「にゃ~~」
コイツ人懐っこいな。俺の膝の上に乗せて撫でてやる。う~ん可愛いな。
「くう~!!」
まだ探しててんのかな。おっコイツ首輪してるってことは飼い猫か。
~~くう~~ と書かれてある。ってコイツ探してたのかよ。しょうがね~。
「すいませ~ん。あなたが探してるのってこの子ですか?」
声をかけた女の子にが振り返ると思わず息を飲んだ。整った顔、スラリと長い手足。思わず見とれてしまっていた。
「あ~、くうちゃん見つけた。何処に行ってたのよ。すっごく探したんだから~。」
「この猫、君の所の?」
「うん。ありがとう。助かったよ~。くうちゃんいつも勝手に出ていくから。」
「そっ…そうなんだ。」
ヤベ~俺ドモってた。ってか可愛い過ぎる。
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