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なんじゃこりゃ!広いし景色は最高だし、まさに最高級旅館って感じだ。高校生風情が泊まれる部屋じゃねぇ。
「おばさん、本当に此処に俺は泊まるの?」
「そうよ。あとおばさんって誰の事かしら。」
ヤバい。めちゃめちゃ微笑んでるようだけど後ろに鬼が見える。やっぱり母さんと同じ血筋だ。
「まぁ構わないけど、次からは桜さんってよんでね。じゃないと死なすから。」
冷や汗ダラダラだ。下手したら母さんより怖えーよ。普段ニコニコしてる分、余計に怖い。
「あとこの部屋は一泊6万円位する部屋だから気を付けてね。」
マジかよ。もし汚したりとかしたら俺どうなんの。地獄に逝っちゃう!?
「荷物整理したら、コレに着替えてフロントに来てね。」
「サーイエッサー。」
桜さんに逆らうのは辞めよう。この歳であの世に逆走したくねぇよ。
しかし、着替えるってこれ何の服だ!?例えるなら甚平の長ズボン版だ。着方はこれであってるのかな?
一応自分なりに着てフロントに向かう。
あっ、空がいた。スゲー和服だよ。また一段と綺麗だ。
「あっ、大地くんだ。ヤッホー。」
今分かった。俺は和服萌えだ。ヤバい死ねる!
「空もちゃんとここで働いてたんだな。」
「うん。夏休みと冬休み限定だけどね。」
「そうなんだ。」
「うん。一緒に頑張ろうね。」
空と別れてフロントに向かう。桜さんから言い渡された仕事は、初日って事で昼間は風呂掃除だけだ。普段からさせられてる風呂掃除テク見せてやるぜ。
………
広いよ……某スーパー銭湯並みに広いよ…しかもこれで男湯のみ。まだ女湯もある。
「はぁ~やりますか。」
1時間後………
…………
2時間後
やっと終わった。男湯だけだけど。
その時扉が開いた。
「あっ、大地くん。賄いの時間だよ。」
空が呼びに来てくれた。飯だ飯。此処は旅館!作るのはもちろん板前さん!ヤバいめちゃめちゃ楽しみだ。
スタッフ用の食堂に到着。
「じゃあ食事の用意よろしく。」
はっ?飯俺が作るの?えっこれなんて罰ゲーム?
「此処では、一番下っぱが、ご飯を作るのだよ。新入り君。」
俺の夢。新鮮な海の幸が…山の幸が……すいません。皆さん。今日からご飯は、消し炭ダー〇マターに変わります。
「冗談だよ、冗談。あそこにあるから食べよう。」
何だよ。冗談かよ。本気でヘコんだぞ。普通の高校生の料理スキル舐めんなよ。
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