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風呂掃除も終わったし、桜さんに報告に向かうか。
「桜さん。風呂掃除終わりました」
「ちっ、……あら。もう終わったの?じゃあコレから1ヶ月過ごすんだし島を歩いてきてらっしゃい」
あれ?今、舌打ちしたよね。あの人。深く突っ込んだら怖いのであえてスルーします。
「じゃあ、お言葉に甘えて言ってきます。何時に戻ればいいですか?」
「6時迄に帰ってきたら、ご飯用意しておくわ。」
うん。絶対に時間内に戻ってこよう。
「それじゃあ、行ってきます」
「地図は玄関に置いてあるから」
地図って旅行者用のちゃんとしたのあるじゃん。何処行こうかな。岬が近くに在るのでとりあえず岬に向かう。
そんなわけで到着。
「スゲー!めちゃめちゃ綺麗だな」
真っ白な砂浜、透き通った海。気持ちいい~。普段、都心に暮らしているだけに、新鮮な感じがする。やっぱり田舎っていいな。
「キャー」
なんだ。なんか声がしたな。声がした方を見てみると女の子が水に入ろうとしてる。自殺!?海に落ちそう!?急いで女の子の方に向かう。
「ちょっと待ったー」
女の子がキョトンとした顔で見ている。
「生きていれば何か一つ位良いことがあるって」
必死に女の子を引き留めようとする。
「あの~なんの事ですか?」
へっ…なんかむっちゃ普通だ。
「自殺しようとしてたんじゃあ……」
「あ~違いますよ。海に帽子が落ちてしまって、それで取りに行こうと…」
俺の勘違い!?恥ずかしい!消えて~!
「すいません、俺の勘違いですいません」
「いえ、いいですよ。私こそ、なんかすいません」
なんか互いに謝ってばっかで気まずい。こうなったら…
「俺、あの帽子とって来ますよ」
「えっ!そんな…」
バッシャ~ン
なんか言ってたけどよく聞こえ無かった。こう見えても泳ぎは得意だ。これくらいなら余裕だ。
…………
「はい。これ」
「ありがとうございます。すいません」
なんか謝ってばっかりだなこの子。
「濡れちゃたけど乾かせば大丈夫だと思うよ」
「ありがとうございます。」
よく見るとこの子綺麗だな~。真っ白なワンピースに長い髪。整った顔、美人って表現がぴったりだ。
「あの~、本当にありがとうございます。よかったら名前教えていただけませんか?」
「俺は、蒼崎大地って言います」
「大地さんですか。私は泉ヶ崎 海流(いずみがさき かんな)と言います。」
「カンナさんってやっぱり地元の方ですか?」
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