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「なに大声出してんのぉ?」
小口が出勤してきた。
「おはようございます。」
あたしが頭を下げると、小口は鼻で笑う。
「何、この仕事とるために朝から大声出してたわけ?ダサーい。」
小口のチャラチャラした喋り方がムカついた。
「楽な仕事を適当にこなして上手く生きていけるほど、あたしは器用じゃないからね。」
ふっと口角をあげて、あたしは小口に笑いかける。
小口は自分が悪く言われていることに気付かず、ポカンとしている。
「さ、仕事仕事。」
上手く生きていけなくても、別にいいんだよね。
悔しさを心に秘めてこそ、強くなれる気がするからさ。
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