月と負け犬

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  小口はあたしを見下している。 最初の頃は結構仲良くしていたけれど、だんだんタイプが違うとわかって、あたしから離れていった。 それでもあたしは彼女を友人だと思っている。 どんなに小馬鹿にされたって、見下されたって、嫌いになれないのだ。 あたしはいつもそう。 ちょっと優しくされたら、好きになってしまう。 それは男女問わず、恋愛感情などではなく。 そんな弱い自分は、きっといつか誰からも何からも、見放されてしまうだろう。 それが一番、怖い。  
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