《街》

5/18
前へ
/97ページ
次へ
「『なにか!?』じゃないだろう、今僕の財布どころか剣まで持って行こうとしてる!!」  その人は本気で全く気付かなかったというそぶりで、ワザとらしく言った。 「あらやだ、私ったら手癖の悪い……。  (チッ、こいつだったらバレそうにないと思ったのに)  それじゃあ、失礼」  僕の財布と剣から手を離すと、その女の人は去って行く。  なにか……一度僕の方から顔を反らせて、ボソッ……と何かを言ったような……。 「……何だったんだろう、あのこは?」  僕はハッキリ言って世間知らずのハズだ。  街の人々とは、普通ああいう物なのだろうか……??
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加