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数日がそんな調子で過ぎた頃
下校時間
校門
洋一がいた
ずっと登校していないのに何故誰も気にしないのか
俺にしか見えないのか?
やっぱり怖い
体を動かそうにも
体がそれを拒否している。
汗はかかない質だったはずが全身の毛穴が抉られたのか汗が吹き出し、
肌は服にすれて痛む位の異様なサブイボ、
背筋はゾクゾクと悪寒が止まらず、
もうすでに玉がなくなったかと錯覚する位に小便は漏らし尽くした。
心臓を常に握られているのか、普通脈てある程度一定で刻むだろうに急速に早鐘を打ち体を駆け巡って血が回りすぎて息が詰まるかと思いきや締め付けられてふっと止まり意識が遠のきかける。
これが身の毛もよだつということか
いやそんなぬるいもんじゃない!
「ぃよぅいぢ…おばえ…ば…い゛っだぃ」
普通に話したつもりが息が詰まりうまく言えない。
それどころかかろうじて動かした目下には信じられない程の吐瀉物、そして…血!?
誰…の?
急に口腔内に酸っぱさと荒れた痛みと鉄分くささが込み上げる。
なんなんだこれは!?
俺は死ぬのか?
呪いか何かで洋一は死んで次は俺の番てことか?
「ぐふふふふふくぅ」
もう笑いたいのか泣きたいのかわからなくなってきた
こりゃ明日の新聞の見出しは
生徒校門で怪死
そんな感じか?
確かに校門はお似合いか
汚物みたいな人間だしな
実際何か出るもの全部出ちゃってるみたいだし
情けない
結局必死にかき集めてみたお札やら十字架やらニンニクやら銀やらは無意味か。
ファンタジー漫画や小説なんて読み漁って知識を得ても役立たずじゃねぇか
しかし洋一もついてないな
死体だか幽霊だかになっちまって
一体何に触れたんだろう
恐る恐る戻した目線に映る洋一がいささか不憫に
…
え?
目だけじゃなくて
手にも穴?
よく見たら制服の胸辺りが赤黒い
え?え?
それって読み漁った神話とかの中にあったような…
あ!
あぁぁ
まさか!まさかな
そんなわけないだろ
呪いなんてもんじゃなくて
まさかそれって
キリスト!?
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