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「とりあえずさっさと動こう…… ここにいても始まらない」
龍治の言葉に悠輝達はゆっくりと立ち上がった。
すると、有藤が遠慮がちに龍治の横に立った。
「すまないが、私は行けない…… 戦えない鈴木達を置いていくのは……」
申し訳なさそうに有藤が言うと、龍治が小さく分かったと言う。
それを聞いて有藤は足早に部屋から出ていった。
「お前は来るだろ?」
有藤の背中を見送り、龍治は克彦に聞いた。
「ああ、行くよ。有藤さんが居れば他の奴等もここに残る筈だからな」
あっさりと言い放つ克彦。
動くのは5人と決まり、龍治が一瞬考え込んだ。
その様子を見て、悠輝と博之が視線を合わせる。
1分ほどの沈黙の後、龍治が悠輝と博之に顔を向けた。
「お前ら、人数を振り分けろ。只し、3つに別れるように、な」
龍治の言葉を聞いて、2人は再び顔を見合わせた。
3班に別れる、つまり誰かが1人で行動しなければならない。
「なんで3つ? 2つでもよくない?」
悠輝が言うと、龍治は首を横に振って見せた。
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