行動開始

3/10
前へ
/201ページ
次へ
「とりあえずさっさと動こう…… ここにいても始まらない」  龍治の言葉に悠輝達はゆっくりと立ち上がった。  すると、有藤が遠慮がちに龍治の横に立った。 「すまないが、私は行けない…… 戦えない鈴木達を置いていくのは……」  申し訳なさそうに有藤が言うと、龍治が小さく分かったと言う。  それを聞いて有藤は足早に部屋から出ていった。 「お前は来るだろ?」  有藤の背中を見送り、龍治は克彦に聞いた。 「ああ、行くよ。有藤さんが居れば他の奴等もここに残る筈だからな」  あっさりと言い放つ克彦。  動くのは5人と決まり、龍治が一瞬考え込んだ。  その様子を見て、悠輝と博之が視線を合わせる。  1分ほどの沈黙の後、龍治が悠輝と博之に顔を向けた。 「お前ら、人数を振り分けろ。只し、3つに別れるように、な」  龍治の言葉を聞いて、2人は再び顔を見合わせた。  3班に別れる、つまり誰かが1人で行動しなければならない。 「なんで3つ? 2つでもよくない?」  悠輝が言うと、龍治は首を横に振って見せた。
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加