始まりの鐘

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『逃亡者諸君、これから第3ミッションの説明を始めよう……』  瓦礫だらけの刺雅町にある花火工場内、作業部屋で4人の男達が一斉に無線を見つめた。  真っ直ぐな眼差しで無線から聞こえてくる声を聞く大館悠輝。  興奮したように鼻息を荒くする観月秋人。  俯き、瞼を閉じて無線に耳を傾ける本宮博之。  それらを静かに見つめ、気を静める草伽龍治。  部屋中に緊迫した空気が流れ、場の雰囲気が一気に張り詰めていく。 『第3ミッションはこれより30分後に始める。  内容は捕虜の救出。  先の第2ミッションで我々は12人の逃亡者を捕えた。  諸君は彼等を救出する。  我々がそれを阻止する。  実に簡単なミッションだ。  時間は9時間。  午後0時30分までとする。  それまでに全員救出できなかった場合、捕虜の人数×1000人の無線をランダムに爆破する。  誰が死ぬか、我々には分からないが、死にたくなければ戦い、捕虜をすくいだせ』  淡々と続く説明。  冷たく響くその声を、悠輝達は息を飲んで聞いていた。
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