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「弾切れっ!?」
トミーは慌ててカードリッジを外し、新たに装填しようとする。
だが、その隙を追跡者が見逃すわけもなく。
発砲しなくなったトミーの方へ、グレネードの銃口が向けられ、爆発のような発砲音が鳴り響いた。
「やべぇっ!?」
龍治は慌ててトミーの腕を引き、瓦礫の山から飛び出した。
追跡者が放った弾は龍治達がいた場所に衝突し、爆炎を巻き上げる。
もう1人の追跡者が避けた龍治達に気付き、銃を構えた。
「逃がすか!!」
声を張り上げ、追跡者は殺ったと言わんばかりの笑みを浮かべた。
だが、その笑みに逆らうように龍治が放った弾丸が容赦なく追跡者を襲う。
飛び出した瞬間、身を捩り龍治は追跡者に向けて引き金を引いていたのだ。
「なにっ!?」
爆炎の音に紛れて撃たれ、蜂の巣となり倒れる仲間を見て慌てて向き直り、追跡者は再びグレネードを放つ。
体勢を崩し、地面に這ったままの龍治。
迫り来るその爆炎弾がゆっくりに見えるほど、時間が遅く感じられる。
死、立ち上がることを忘れ、その1文字が龍治を襲う。
「龍治ぃっ!! 動けぇっ!!」
背後から聞こえた叫び声に、龍治はハッとした表情を浮かべると、地面を転がるようにして爆炎弾を紙一重で避ける。
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