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龍治は中山達に向かって駆け出した。
追跡者達から銃声が聞こえる前に、中山達を避難させるため。
トミーがそれを援護するように追跡者達に威嚇を始める。
この時、動いていた2人の頭に共通の疑問があった。
龍治は中山達に駆け寄ると、半ばやけになっている中山と雨海を引っ張り、瓦礫の後ろへと回る。
それを確認し、トミーは改めて追跡者に銃撃を向けた。
「博之はどこ行った!?」
瓦礫にもたれかかり、項垂れた中山に龍治が叫ぶ。
「あ、あいつなら…… 奴等を見るなり走っていって……」
興奮気味に息を荒くしながら、中山は追跡者達がいた方を見つめた。
「どこに行ったんだよ!?」
焦った龍治は更に声を荒げた。
中山達の命もそうだが、博之の命も失うわけにはいかない。
目的以上に、博之が死んだとなれば悠輝達の気持ちにも関わる。
すると、中山はゆっくりと腕を上げ、今にも崩れそうなビルを指差した。
龍治達がいる場所から1000mほど離れた場所にあるビル。
その中間の場所に追跡者達がこちらを狙って銃を向けている。
「お前らはトミーの方に行け!! 絶対に離れるなよ!!」
そう言い残し、龍治は博之が向かったと言うビルに向かって走り出した。
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