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2階に駆け上がり、通りに臨む広いオフィスに龍治が駆け込むと、血相を変えた博之とぶつかった。
2人は弾かれたように転び、互いに頭を押さえている。
「ってぇ……」
「り、龍治さん?」
博之は痛みに苦しむ龍治を見るなり、龍治に飛び付いてきた。
突然の事に龍治は困惑の表情で博之を引き剥がそうとする。
「何やってんですか!? 何で来たんですか!?」
「はぁ!? いきなりなんだ!?」
現れた龍治を責める博之に、意味が分からない龍治は力づくで博之を突き放した。
息を荒くし、地面に腰を落とす博之。
「一体なんだってんだ!? 何でここにお前が来たのか、キレたいのはこっちだろうよ!!」
俯く博之に怒鳴り散らす。
だが、博之は拳を握りしめると、唇を噛み締め黙り込んでしまう。
それを見て龍治はよけいに困惑してしまった。
「なんなんだよ!?」
「中山さん達が撃たれたんです!!」
博之に叫ぶと同時に、龍治の声を上回る大声で博之が言った。
2人の間に僅かな沈黙が流れ、辺りは一時の静寂に包まれる。
「撃たれた、だ?」
驚きを露にした表情で龍治が呟くと、一部始終を見ていた博之から更に驚愕の事実が告げられる。
「あの人、トミーが2人を撃ったんです!! 何であの2人をあの場に置いてきたんですか!?」
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