始まりの音

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俺達は大声で喧嘩を続けながら歩き続けた。いつの間にか学校も近づぎ、そこでふと我に帰る。 今まで気付かなかったが回りからクスクスと笑い声が聞こえていた。俺達と同じように登校する生徒の声。くそッ恥ずかしい。 笑い者もいいとこだ。 俺は遅いと分かりつつも声のトーンを落とす。瑞稀もそれに気付き隣で真っ赤になっていた。 「おいどうすんだこの始末」 「知らないわよあんたが突っ掛かってきたのが悪いんでしょ」 「俺のせいか?」 「そうよ」 「絶対違う気がすんぞ」 「いいから今は折れときなさい、また皆に笑われたいの?」 瑞稀は偉そうに俺を見上げてくる。その顔はまだ赤い。まぁ俺もここは穏便に事を終えたかったので文句は飲み込んどいた。 「しょうがない続きは放課後ってことにしといてやるか」 「それはこっちの台詞よ」 回りに聞こえないようコソコソ言葉を交わす。そして俺達は一時休戦協定を結び間を開けた。 やがて校門が見えてそこを跨ぐ頃には俺達の間に会話はない。 一定の距離を保ちつつそのまま別々の教室へ向かう。ふぅ… さぁ勉強タイムの始まりだ。
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