始まりの音

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こうして見ると瑞稀は何処にでもいる普通の一生徒に見える。 家にいる時とは大違いだな。 奴とは学校ではなるべく関わらないようにしている。これは瑞稀の方から言ってきたことだ。 クラスでは真面目で静かな委員長キャラで通してるんだとよ。 実際俺は態度のデカイ自分勝手な瑞稀しか知らないから今の奴は猫を被ってるとしか思えない。どっちが素なんだろうな? そんなことを考えポヤンとしていると俺は次第に眠くなった。 ずっと聞こえ続ける教師の声を子守歌に俺は意識を手放した。 「――…くん、…さ君」 誰かが体を揺すっている。 「いつまで寝てるの?そろそろ起きなよもう学校終わったよ」 まどろみの中。まだ眠い。 「あと5分…」 「久君!」 「はいッ」 俺はビクッと上半身を起こす。そしてキョロキョロ辺りを見渡した。
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