始まりの音

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「ここ何処だ」 「寝ぼけてるの?」 「いや大丈夫だ」 俺はんーと伸びをする。 「大丈夫って…」 目の前にいた知哉は呆れ顔。 「どした?」 「久君に来週テストだって教えたよね、それなのにどうして」 寝たの? 「……」 知哉はズイッと顔を近付けてくる。な、なんかいつもと違う。 「知哉くんもしかして怒っていらっしゃる?おお落ち着いて」 珍しく黒いオーラを背後にしょい込む知哉をなんとか宥める。 「もう知らないよ久君なんか」 プイッと横を向く。怒ってるのに、駄目だ。意味なく可愛い。 「すまん、マジで反省してる」 「本当?」 「あぁ…」 だからその顔は止めてくれ。なんか違う方向に目覚めちまう。 いかがわしいぞ、俺ッ。 バシッ―― 不純な考えを振り払う。 「?」 知哉は一人騒ぎ出す俺を心底不思議そうな表情で眺めていた。 てか何かやってんだ俺。
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