始まりの音

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何とも勘の鋭い奴だ。 俺は疑いの目でこっちを見る奴から目を反らし口笛を吹く。 「まぁどうでもいいじゃん、それよりもうすぐ学校だ、いい加減そこをどいてくれ、重い」 そう言って無理やり体を動かす。奴は何だか物足りなさそうだったが素直に離れてくれた。 そして引き際にボソッと、 「言って置くけど私そんなに重くないわよ、この前の測定でさんじゅ…わぁ言わんでいい!」 犯罪級のネタバレや。そいつを言っちゃいかん。世界の摂理が細胞分裂を始めてしまうから。 「何よ、私の体重知りたくないの?」 「まぁ大体予想は付くから」 あなたのその身長で… 「そう?」 「あぁ…」  
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