俺×巡る日常=Re:Start

4/15
前へ
/102ページ
次へ
少々重すぎる空気の朝だったが、俺を笑顔にさせるには十分な朝だ。 しかし、未だに例の薬のおかげで白髪頭……いや、シルバーアッシュの髪は一向に黒くならないし、肌は紫外線に弱いままだ。 いや、白髪頭と言われたことを引きずっているわけでは断じてない……。 まあ、つまりは困ったことに外出出来ないということだ。 そして、今日は学校の終了式……つまりは俺も登校しなければならないという日だということもまた問題だ。 「まあ、普通に考えりゃ休むわな。まだケガ人だし」 誰に言うでもなく呟いたつもりが、すっかり体の一部と化したみたいに腕と同化した美沙の耳には、がっつりと届いたみたいだった。 「……たーちゃん、一緒に学校行けないの?」 不安げに揺れる瞳が俺を捉えていた。 「……まあ、仕方ないだろ?まだ、体を動かすのもやっとだし、外は俺にとっちゃ癌の元たちの世界だぜ?外に出るなんて自殺行為だっつーの」 ちなみに、アルビノの話はあの坂本という医者が話したらしい。 失った目の話は伏せていたみたいだが。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1373人が本棚に入れています
本棚に追加