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「きゃーーッ!たっ、たーちゃん!」
ずるずるとクリスさんに引きずられていく美沙。
少しかわいそうな気がしたが、ここで甘やかすのもよくないので残念だが御退場していただいた。
「それで、なんの御用でしょうか?」
「あれ?今、美沙を引きずって一緒に出てったよね?」
「ええ、それがどうかしましたか?」
もうなにも言うまい。
「で、よく俺が別に用があるってよくわかりましたね?」
その通り、俺はクリスさんに用があった。
しかし、美沙に聞かれるとまた面倒なことになりそうなので、引き剥がしてもらったってわけだ。
「父さんに持たされた手紙に、リハビリのことが書かれていました。そこにはクリスさんと騎場執事長に詳細を聞くようにと。俺の体を気にしているのなら、余計なお世話です。……教えてもらってもいいですか?」
渋い顔をするクリスさん。
無理を言っているのは承知の上だ。
体も一般生活をやっとこなせる程度に回復した程度だ。
坂本に言わせれば、100年早ぇってやつだろう。
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