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「……分かりました。でも騎場執事長は今この場にいませんので、明日から……ということで妥協していただけませんか?」
まだ納得していないようなクリスさん。
「……明日、ですか。明日は無理ですよ。行くとこありますから」
俺からリハビリしたいって言っときながら、自分勝手だよな。
でもまあ、明日は――
「明日は……大事な人たちと会うんです」
そう、俺のもう1つの家。
もう1つの家族。
「俺の大事な……家族、です」
その日の夜、リビングで人見知りする芸人たちの話に共感出来てしまい落ち込んでいる美沙をなだめることに興じていると、見知らぬ番号からの着信があった。
「なんだ、この番号。知らない番号……か。どう思う?出てみるべきか?」
となりで俺に寄りかかる美沙に聞いてみる。
「……知らないよ。好きにすれば?」
美沙よ、そんなにショックだったのか?
投げやりな美沙に聞くのは諦めて柚実に聞こうと思う。
だが、となりにはスヤスヤと眠りこける柚実が。
最近はよく寝てるけど、なにか病気なんじゃないかと心配になる。
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