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「ダイお兄ちゃん……」
「時音!よかった!無事だったんだな」
大樹はすぐに時音の小さな体を抱きしめる。
嬉しさが溢れ出した。
“ガンっ!”
頭を衝撃がおそう。
なにか硬いもので殴られたらしい。
「お姉さんを忘れてない?坊や」
「ぐっ……」
頭の激痛を我慢して振り向くと金棒を片手にするアンジェリカが立っていた。
「と、時音に……手を、だすな」
「うふ、足が震えてるわよ坊や」
怖かった。
立っているのがやっとなぐらいに足の震えはおさまらない。
「助けが欲しいかや?」
現れたのは夜狐だった。
「し、師匠!」
大樹は助かったと思った。
そしてやっぱり夜狐は自分を裏切ってなんかいなかったのだと安心した。
「な~んての。クフフ、誰がぬしのような人間を助けるかや?」
「そ、んな……」
大樹の顔が青ざめる。
夜狐とアンジェリカが殺意のこもった表情で大樹に詰め寄る。
「あ……や、やめろ……殺さない、で……くれ……死にたくない!止めてくれぇぇぇぇぇぇ!!」
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