1059人が本棚に入れています
本棚に追加
丁寧に手紙までも入っていた。
[俺は柳生定正。
突然だが風見大樹、お前の魔法剣士を俺によこせ。
コイツは本当に魔法剣士の鏡だな。
どんなに痛めつけても辱めても俺のモノにはならないんだとよ。
お前に忠誠を誓ったからには死んでも俺のモノにはならないって言いやがる。
でも俺は欲しいものは力強くで奪い取るたちでな。
風見大樹、この女を助けたかったら同封されてる地図の場所までこい。
お前を殺してこの女を嫌でも俺のモノにしてやるよ]
「……」
「もちろん助けに行くわよね」
「……」
「なに黙ってんのよ」
なぜすぐに助けにいくと言えないのか。
大樹は自分でもわからなかった。
「考えさせてくれ……」
「あなた何言ってんの!?」
レミが怒鳴る。
「美奈穂がこんなヒドい目にあってんのに考える時間が欲しいって頭おかしんじゃないの!?」
「仕方ないだろ……俺は時音を守れなかった。あんな小さな女の子一人救えない俺なんかが…………」
弱気な態度の大樹にレミのイライラはおさまらない。
「なら美奈穂はどうなるのよ!」
「俺なんかより確実に救出できるやつ……そうだ!要だ!要なら――」
“パン!”
レミが大樹の頬をひっぱたいていた。
大樹はその頬をおさえながらレミを見る。
「話にならない……」
レミは冷たく言い放ちこの場から立ち去る。
最初のコメントを投稿しよう!