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静かな朝、オシリスレッドの寮の一部屋に朝日が差し込む
「ふぁっ~ぁぁぁぁぁ」
部屋の住人、浜崎奈々は上半身だけ起こすとうーんと唸りながら背伸びをする
奈々は身支度を素早く終えると、デッキをポケットにしまい自分の部屋を後にする
その頃、隣の部屋の十代はまだ夢の中にいた
「エビフライ、げっとぉぉぉ!」
腕を大きく突き上げると、その反動でベットから転げ落ちてしまった
「痛ってぇ~夢かー」
指を鳴らして悔しがる十代
「十代、起きてる?」
ドア越しに奈々の声がする
「起きてるよ、用意するから待っててくれ」
「わかった(珍しい…いつも行くとまだ寝てるのに)」
数分後、身仕度を終え十代がやって来た
「よし、行こうぜ」
2人は教室に向かって歩きだした
「ところで十代」
んっと言って奈々の方を振り返る十代
「今日、実技あるの知ってる?」
えっと驚きの顔の十代
「まぁ、実技ならなんとかなるぜ!」
サムズアップをする十代
「今回は自分のデッキは使えないよ」
「って、事はヒーローデッキじゃないデッキで決闘するって事?」
「まぁ、そういう事」
奈々が十代に説明していると、壇上のクロノスが話し始めた
「では、これから実技を始めるノーネ!前に話したトーリ自分のデッキは使えナイノーネ!それではガンバルノーネ」
次々と決闘が開始されていく
翔は戦士族、剣山は魚族、明日香は機械族、ヨハンは昆虫族、万丈目は雷族のデッキを使いこなし、普段使わない種族のデッキに四苦八苦しながらも何とか勝ちを手にしていた
「自分のデッキじゃないから大変だったドン」
ふうっと愚痴をこぼす剣山
「そうね、私も機械族だったからやりにくかったわ」
「剣山君、明日香さん、アニキの試合が始まるよ」
「相手は…誰ザウルス!」
壇上のオーロラビジョンには既に十代の名が決まっていた
右側の対戦相手のルーレットの勢いが弱まると、会場から歓声が巻き起こる
「十代の対戦相手は…奈々?」
「すごい決闘が見られるかも知れないっす!」
興奮を抑えきれない翔
ゆっくりとデュエルフィールドに対峙する両者
「まさか、対戦相手が十代になるなんて思ってなかったよ」
「あぁ、まさか相手が奈々とは、正直驚いたぜ!だけど決まった以上本気で行くぜ、奈々!」
左腕に装着された決闘盤を構える
「手なんか抜かないよ!行くよ十代!」
『決闘!!』
「先行は私から、ドロー!」
奈々はカードを確認すると手札へと加える
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