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本棚が二つ、机が一組、ベットが一台、そして最新のコンピュータが置かれた一人の高校生の部屋の一室。
真夏に対応するため、エアコンがかかっている。
昨夜から、何かを読んでいたのか朝になっても部屋の電気は点けっ放しだ。
「はぁ、つまんねぇ」
僕こと、北林定秋(キタバヤシ サダアキ)はそう言って、紙の束をポイッとゴミ箱に投げ捨てる。
僕は見た目も、成績も普通の高校2年生。
最近は、ちょっとニート気味。
理由は退屈だから。
全てに。
投げ捨てられた紙の表紙には「一般相対性理論と量子論の融合理論について現代研究」と書かれていた。
そういえば、僕のことをこう呼ぶ人がいる。
史上最高の天才。
「まだ、超ひも理論なんて考えてるんじゃダメだな」
僕は呟く。
「定秋ご飯どうする?」
母が呼んでいる。
「いらない」
僕はそう叫んでベットに身体を投げた。
「はぁ、今日はまためんどくさいな」
独り言をぼやいてからノロノロと立上がり、必要最低限な荷物が詰まった鞄を手に取った。
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