プロローグ

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僕は再び、手を挙げる。 クラスが正解かどうか丸付けの音に耳を澄ます。 シュルッ。 丸がついた音。 宇宙人が、さっさと星へ帰れよ。 やっぱり、佐山先生じゃ無理よ。 どうせオレ達はお前に比べたらバカだよ。 再びのざわめき。 もぅ、慣れたけれど。 僕の居場所が決してここに無いのはわかってる。 僕は一瞬佐山教頭の狸みたいな顔と目があって、素早く逸す。 佐山教頭は僕が嫌いみたいだ。 必要最低限しか出席しないのに、過去最高成績の記録を持つ。 だから、佐山教頭は僕に大学レベルの問題を出して困らせようとしている。 本当に、めんどくさい。 僕は佐山教頭に対しても問題を出す。 それ以上、僕に問題を出させないように。 そういえば、佐山教頭は一度も満足に答えを返したことは無いが。 授業が全て終わり、放課後となった。 僕は速攻で荷物をまとめて、自宅を目指す。 そう、僕の居場所は決してここに無いのだから。 別に居たいとも思わない。 対抗だし、息苦しい。 僕は誰よりも早く外に出た。 外は朝と比べものにならないくらい暑くなっている。 「エアコンの温度上げて、僕も地球環境守ろう」 僕は燦々と照る太陽のもと、そう呟く。
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