159997人が本棚に入れています
本棚に追加
/753ページ
僕は再び、手を挙げる。
クラスが正解かどうか丸付けの音に耳を澄ます。
シュルッ。
丸がついた音。
宇宙人が、さっさと星へ帰れよ。
やっぱり、佐山先生じゃ無理よ。
どうせオレ達はお前に比べたらバカだよ。
再びのざわめき。
もぅ、慣れたけれど。
僕の居場所が決してここに無いのはわかってる。
僕は一瞬佐山教頭の狸みたいな顔と目があって、素早く逸す。
佐山教頭は僕が嫌いみたいだ。
必要最低限しか出席しないのに、過去最高成績の記録を持つ。
だから、佐山教頭は僕に大学レベルの問題を出して困らせようとしている。
本当に、めんどくさい。
僕は佐山教頭に対しても問題を出す。
それ以上、僕に問題を出させないように。
そういえば、佐山教頭は一度も満足に答えを返したことは無いが。
授業が全て終わり、放課後となった。
僕は速攻で荷物をまとめて、自宅を目指す。
そう、僕の居場所は決してここに無いのだから。
別に居たいとも思わない。
対抗だし、息苦しい。
僕は誰よりも早く外に出た。
外は朝と比べものにならないくらい暑くなっている。
「エアコンの温度上げて、僕も地球環境守ろう」
僕は燦々と照る太陽のもと、そう呟く。
最初のコメントを投稿しよう!