* 共依存

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まぁ、俺の事を思って、とか、俺が勝手に良い様に解釈しとるだけなんやけど。 あの子は滅多と表に出て来んし、出たとしてもその間の事を俺は何も覚えていない。 唯一断言出来るのは、 あの子は、俺に依存している。 4年程前、主治医から"最後の"人格統合の話が出た。 俺と、あの子の。 俺は承諾するべきだと思ったがあの子は違った様で、普段表には出て来ん癖に俺を押し退けて主治医に統合はしたくない、自分は今の状態で良いと思っている、桃(俺の名前ね。)は自分にとって大切な存在だ、と、力説したらしい。 あの子はしたたかな子だから、俺との統合は、自分にとって得にはならない事に気づき、咄嗟にそんな言葉を口走ったんやと思う。 ――桃が居ないと生きていけない―― なんて、そんな事言われたら俺、もう何も言えんもん。
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