150人が本棚に入れています
本棚に追加
「うーん、なんて言えばいいだろうな…」
「早く言って」
何やらブツブツと独り言を言う彼に霊夢は質問の答えをせがむ。
「俺は元幻想郷の住人、と言えばいいのかな」
「元?」
「そう元。帰還者って奴?」
新しいタイプの答えだ。霊夢はそう思った。
「新しい答えだわ。それでその帰還者が幻想郷に何か用?」
幻想郷に戻って来たのならば何かしら用事があるのだろう。霊夢はそう考えた。
「用事かぁ…これと言ってないな」
「ハァ?」
霊夢は呆れたような声をだす。まさか何も用事がないのにこんな所に来たのか。霊夢はそう聞こうとした。
だが声をだす一歩手前で彼が喋りだす。
「ああ、俺がいない間に幻想郷がどう変わったか見てみたいな。」
「ハァ?」
霊夢はまた呆れた声をだす。
「それは観光をしに来たというわけかしら?」
「まぁそうなるな」
なんだこの男は。霊夢はそう思う。
この幻想郷は観光で来るような場所ではない。下手をすればその辺の妖怪に殺されてしまう可能性だってある。
そんな所に観光気分でくるとはどんな神経をしているのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!