第1話

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  「貴女は何時も、此処にいるのですか?」 僅かな沈黙を破ったのは、若い男だった 「何時もいるわ」 私はコクリと頷いて答えた また冷たい風がフワリと私と若い男の間を吹き抜ける けれど若い男の所の風だけは、若い男を包むように吹き抜けていった でも私は大して疑問を持たなかった 「そうですか でもそろそろ日が暮れますよ?」 「何時も夜になってから帰るの」 「どうしてですか?」 「夜を味わいたいのよ」 私が言うと若い男は不可思議(クスリでもフワリでも無い、空白みたいだから)に微笑んだ 「貴女は私と同じ匂いがします そう 黄泉へと誘われても、戻って来そうな感じが特に―――――――」 若い男の微笑みはきっと どんなに可愛い子より どんなに優しい人より どんなに意味深な人より 不可解で…不可思議で…… この世の言葉では言い表せないほど 怪しく、美しい微笑みだった  
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