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あの日の
あれからの記憶は曖昧で、思い出そうとすると必ず靄がかかったように細小までは思い出せない
相変わらず両親は家に帰って来ず、私は不登校のまま
若い男の事が気になって、あれからも毎日あの路地裏に行く
けれど若い男はあの日以来、姿を見せなくなった
全てが夢のよう
現と夢の間を浮遊してるみたい……
ドンッ
唐突に玄関から物音がする
今はまだ午後2時…
音も不審だと私は思ったが、さほど警戒せずに玄関へと向かう
玄関は異様なまでに、静かだった
さっきの音が夢だったように…
ガチャ
好奇心を前に人は勝てない
などと自分に言い訳をして、恐る恐る玄関の扉を開ける
「!?」
目の前の光景に驚く
目の前には1人の少女が宙に浮かぶ女(女神みたいだ)と何かを話している光景が広がっていた
それはまるで童話の1ページの挿し絵みたいだった
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