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『本当に自由になれるの?』
『はい
わたしはあなたの心に惹かれて、願いを叶えに来たのです
もし自由になって、その清らかな心を失ったら元の生活に戻ります
良いですね?』
少女は幸福な気持ちで満たされていた
少女と女の会話の後、天井(天井なんて無いけど)から降るように声が聞こえた
すると目の前の光景が少しずつ変わりだす
「あ……」
一瞬だけ
本当に一瞬だけ、小さな男の子が暗い所で泣いている光景を最後に、光景が切り替わる
フッと気付いた時、目の前の光景はあの路地裏の夕暮れだった
次から次に起こる不可解な現象に多少困惑しながらも、私は慣れていく感覚を覚えた
「おや」
背後から声が聞こえる
振り返るとあの、若い男が居た
「やはり貴女は『此処』に来れましたか
私が思った通りですね」
ニコリと笑い、若い男は近付いて来た
「まだ…2時…だよね…
此処は何なの…?」
「私が見た全てを記憶する場所です
あの場所の夕暮れがとても綺麗だったので、記憶している最中です」
「記憶する…場所…」
改めて辺りを見る
もしそうなら、さっきの光景は何だったのだろうか…
この人の記憶だと、言うのだろうか…
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