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「どうでしょう?」
「どうって……」
改めて彼は聞く
………
いつの間にか、旅に出たいと私は思っていた
どうせ私が居なくなろうとも、誰も困らないじゃないか…と…
そもそも、私は何を躊躇っているのだろう…?
つまらない平凡な毎日にうんざりしていたではないか……
「迷惑にならなければ…」
私は曖昧に返事をした
取り返しのつかないものに関わった感覚を微かに感じた
「それは一緒に行って頂けるのですね…?」
私は彼の言葉にゆっくりと確かめるように頷く
刹那、パァッと彼の顔が明るくなったように見えたが…次の瞬間には笑みに戻っていた
「そうでした
貴女に質問があります」
パンとわざとらしく手を叩いて、彼は言う
「何…?」
「人が死んだら、どうなると思いますか…?」
「は…?」
人が死んだら…どうなるか…?
何故、彼はそんな事を聞くだろう…
私は考えを巡らせた
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