第一章 前編

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       † 軍に志願して約一年がたった。 元々公爵家だったのと、実力があったおかげで軍部内では所謂特別扱いをうけていた。 普段ならばそれを拒むのだが、今の僕にそんな余裕はない。 少しでも強く、そして早く多くの情報を知れる立場になりたい。 ただその思いだけで様々な努力をしてきた。 その結果僕は、 「アルフォード大尉!お客様がお見えです!」 階級は大尉にまで上がり、軍部で個人の部屋を持てるようになり部下もできた。 部下と言っても全員年上ばかりなので敬語しか使っていない。 「はい、通してください。」 僕がそう返事をすると、中年で青い軍服を来た無精髭を生やした兵士はもう一度敬礼をして部屋を出て行った。
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