第二章 前編

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それに大きく頷いたグレモリィは優しい表情からうってかわってそわそわとした年相応な表情に変わった。 どうにもその表情は俺に何かを聞きたそうな表情に見え、しかしそれを我慢しているように見えた。 これは俺の方から尋ねてあげたほうが良いのだろうか。 俺にはもうグレモリィがフィーネの様な妹に見えてきて、そのせいかいっそうグレモリィが可愛く見えた。 「どうしたの?」 俺が突然尋ねた事に驚いたのか肩をビクッとして今まで合わせていた視線をスッと反らせた。 この子は根っから正直者でいい子なのだろう。 隠し事や嘘が苦手そうに見える。 今までそんな事をしてこなかったからに違いないな、なんて自分勝手ながらも多分間違えじゃ無いだろうと思えるような行動をグレモリィは見せてくれた。 「じ、実はだな。その…聞きたいことがあるのだが…その…」 そんな歯切れの悪いグレモリィに素直に質問させるためにはどうしたらいいのだろうか。 そんなことを悩み考えた結果、真に馬鹿馬鹿しい考えにたどり着いた。 「よし、俺がグレモリィに聞きたいことを聞く。そのかわりグレモリィの聞きたいことに答えるよ。」 つまりは交換条件。 言った自分で自分にバカヤロウ、と罵りたくなるような事柄だが、もう言ってしまったから後の祭り。 一度言ってしまった言葉を引っ込める事なんか出来ない俺は、大して重要でもない質問をするしか無かった。 「グレモリィって何歳?」 グレモリィの了承の返事すら受ける事無く質問をした自分が更に馬鹿らしく思え、もう仕方が無いと腹を括る。 「う、うむ。人の年齢計算で言ったら十と四になる。」
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