エロ小説にはエロ本とはなんか違う別のエロさがある

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まだご飯を食べてないというからそこら辺のファミレスに寄ることにした。 俺も昼はなんも食ってねぇ… 朝の内に神楽が全部食っちまって定春と遊びに行きやがった。 だから家には金も飯もない…。 飯代は月詠が払うと言ってくれた。 一文無しの自分が情けない……。 ファミレスで食べ終え、しばらく街を一緒にさまようと月詠は立ち止まって何かを見た。 「おぃ…どした?」 「銀時…これ見ろ」 月詠が何かを指さす。 そこにはガラス越しに、洒落た着物を着たマネキンが飾ってあった。 「…こんな着物着たいのかょ? おめぇセンスねぇなぁ…」 「違う……よく見ろ」 「ぁあ?……ぉ…」 月詠はマネキンが着てる着物ではなく、手に持った煙管を指さしてたのだ。 値札がぶら下がっているから売り物だ。 …しかも値段が高い……。 「…買うのか?」 「……ぃや…また今度にする…今はこの煙管が気にいってるからの」 月詠はそう言って煙管を口にくわえる。 そして再び歩く。 「………」 「………」 「………」 「………」 「…最近、吉原はどうだ?」 「いつもとかわらん」 「……日輪や晴太は元気?」 「…ぅむ」 「…あぁそ」 ……会話が弾まねぇえッッ!
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