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大広間
沖田、山崎含め隊全員が土方、近藤の前で並んで正座していた。
これからみんなでテレビが見れなくなった謎を解こうと、土方が皆を呼び出したのだ。
「はい!」
と挙手したのは山崎。
「もしかしたら隠密活動を得意とする攘夷志士が、我々の情報手段とするテレビを何らかの手で破壊したのかもしれませんね…
テレビを破壊したことによってニュース、天気予報…政治状況を遮ることが可能となりましたし…」
…まぁもっともな考え方だな…と土方は思った。
だがこの考え方は次の沖田発言でボツとなる。
「ぉい山崎ぃ、だったら新聞はどうなるんでぃ…
情報手段を遮るには一般的にはまず新聞紙だろ、何でも書いてあるからなぁ。
もしかして新聞読んでねぇのかぃ?」
「Σぅッ…それは……
…はい…スポーツ情報とテレビ一覧しか読んでません…」
山崎は下を向いて撃沈した。
まぁ一番新聞読んでなさそうなヤツにいわれるとガックリだよね。
「…というとやっぱり故障か…しかしこうもいっぺんにテレビがイカレるとな……」
土方が腕を組む。
すると再び沖田が口を開く。
「こうなりゃ買い替えやしょうぜ。
どうせ来年にゃアナログは消えちまうし…地デジの薄型を買いやしょう。」
「…そうだな…映像も綺麗だし…」
近藤が頷く。
「じゃあ決まりだな。
松平のとっつぁんに提供してもらって一台ずつ置いてもらおう」
土方が煙草を灰皿に擦り付けて立ち上がる。
「よし! 決まったところで解散!」
解散を告げられた隊員たちはすぐに私語を話す。
「俺提供してもらうならレグザが言いなぁ♪」
「いや、ブラビアだろ~」
テレビのメーカーの話しばかりが大広間に響き渡り、どたどた皆が散らばる。
土方も新しいテレビが来ることを楽しみに思った。
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