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その3日後
再び皆は大広間に集められた。
土方が前に立ち、口を開く。
「…この前のとっつぁんの件での話しだが……」
と言いかけ煙草の煙を吐く。
「どうでしたか!?」
山崎が尋ねる。
「…答えはNOだった……」
「Σえぇぇぇぇッ‼⁉」
皆が騒ぎ出す。
「嘘だろ~?」
「冗談じゃねぇよ…3日もテレビ見れないの我慢したのに…」
「ふざけんなッ! とっつぁんにもっかい頼め!」
「テレビ欲しい!」
「CS見たい!」
「土方死ねッ!」
いろんな野次が飛ぶ。
そこへ近藤が入ってきた。
「静かにしろてめぇら!
今グダグダ言ったって上からの命令は変わらねぇ」
し~んと静まり返る。
「とっつぁんはこないだ武器の調達とキャバクラでお金を使いきっちまったんだ…こうなりゃてめぇらで買うしかねぇだろ」
眉を八の字にして腕を組む。
「そういうことだ…だから各自でテレビを買ってくれ」
土方が後に続く。
みんながっかりしている。
もちろん近藤達もだ。
公務員だが最近は満足な給料が貰えていない…。
金の事に悩む一同…
だが近藤は違った。
なんだか…慌ててるような感じなのだ。
足を揺すってる。
土方はそれに気づき近藤の足を見た。
「近藤さん…便所ガマンしてるなら行ってきなよ…」
「ち…違うッ……俺は厠へ行く気はない」
「じゃあ…なに焦ってるんだ?」
「それはだな……」
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